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拡張型心筋症とは


心臓は収縮・拡張を交互に繰り返すことで全身に血液を送り届けるポンプとしての役割を果たしています。特発性拡張型心筋症 (以下、拡張型心筋症) は、心臓 (特に左心室) の筋肉の収縮する能力が低下し、左心室が拡張してしまう病気です 。

心臓の病気の中には高血圧・弁膜症・心筋梗塞などが原因で、見た目は拡張型心筋症と同じような心臓の異常を起こしてしまうケース (特定心筋症といいます) もあります。特定心筋症ではないことを確認することは拡張型心筋症を診断する上で重要です。

健常者
健常者
拡張型心筋症
拡張型心筋症

心臓の働きについて

循環器・血管についてもう少し知りたい方はコチラをどうぞ。

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過去の関連記事「補助人工心臓 鼓動を感じる?」はコチラ

パンツのゴムで例える拡張型心筋症

私が普段周囲へ病気を説明する際の表現の一例を書いてみます。

心臓の筋肉(心筋)をパンツのゴムに見立ててみましょう。大まかに説明すると上記図の赤色部分です。

 

健常者

 ⇒新品パンツ

拡張型心筋症患者

 ⇒古いパンツ

 

 

新品パンツのゴムは伸びるとシッカリと縮む力が働きますが、古いパンツのゴムは伸びきっていて縮む力も少ないです。

古いパンツ(拡張型心筋症患者)は縮む力が弱いので、血液を送りにくくなります。

 

 

病気の原因はわかっているのですか

これまでのところ,明らかな原因はわかっておりません。

遺伝するのですか

平成11年の厚生省の全国調査では約5%に家族内発症が認められました。また家族性拡張型心筋症のうち約20%に遺伝子異常が認められ,おもに心臓の収縮に関わるタンパク質をコードする遺伝子の異常でした。このため,少なくとも一部の拡張型心筋症では遺伝すると考えられます。

悪化する仕組み

ポンプの働きが落ちると、心臓が送り出す血液の量(心拍出量といいます)は少なくなります。その程度はまちまちで、当然ながら少なくなりすぎると生命にかかわりますが、ここでは軽い場合を考えてみましょう。

人間の体はその危機に対応して、心拍出量の低下をくい止める手立て、つまりバックアップ(代償)機構を備えています。

この機構は、少し弱った心臓でも、十分な血液を送り出すために

・ポンプの中の血液を増やして送り出す血液量を保つ。

 その結果、心臓が拡大する。
・1回の拍出量が減った分、拍出回数(脈拍数)を増やすなどの働きをします。

 

こうした代償機構がうまく働いていれば、まず生命への危険はありません。

では、ポンプの中の血液をどう増やすのでしょうか。その手だては二つあります。全身の血液量は一定でも、手足の血管を収縮させて、その分、心臓や肺をめぐる血液を増やすのが一つ。もう一つは、全身の血液量自体を増やす方法です。この目的のために体の中では複雑な指令系統が作動することになります。

心臓の拡大や脈拍数の増加、さらに指令系統の指令にもとづく全身の変化は、心拍出量が減るのを防ぐために一時的には有効です。しかし、長期的にはかえって心臓の負担となり、心臓の働きはますます低下し、はっきりと症状になって表れます。

一般的には、症状が出る前から、水面下では病気は進行しています。「昨日まではまったく元気だったのに」ということでは、決してないのです。

心不全とは?

心臓の働きが不十分だと、まず心臓拍出量を維持する仕組みが働き、拍出量の低下が抑えられるものの、体のいろんな部分に負担がかかり、症状が出現します。心不全とは、病名ではなく、「心臓の働きが不十分な結果、起きた体の状態」をいいます。

心臓の働きのうち、どの働きが、どの程度、低下しているのか、その低下が急に起こってきたのか(急性心不全)、徐々に起こってきたのか(慢性心不全)によって、心不全の種類や程度はさまざまです。

 

それは、心不全をきたす原因は一つではないからです。心筋梗塞や心臓弁膜症など、あらゆる心臓病はもちろん、例えば高血圧で長年、心臓に負担がかかっている場合などでも、しだいにその働きが落ち、心不全の原因となります。

心不全の初期には、平地を歩く時にはなんともないのですが、坂道を上ったり、重いものを持ったりすると、息切れが激しくなります。心不全が進行してくると、あお向けになって寝るとセキが続いたり、息苦しく、体を少し起こすと楽になったりします。患者さんは、風邪をひいたのではないかと思うようです。

さらに進むと、夜、突然、息苦しくなって目が覚め、起き上がっても回復にしばらく時間がかかるようになります。

私が補助人工心臓を装着する1ヶ月前

体調を崩し、病院へ行く直前は平常時脈拍が120/分を超えていました。今考えるとまさに代償機能で支えられていたものが急速に破綻していったのでしょう。一言で言えば常に苦しかった。

もう少し具体的に例えるなら下記のような状態でした。

 

 ・プールで溺れかけている状態

 ・バスケの試合に出場している状態

 

これが、一日中続きました。

そして、夜は横になるとも出来ませんでした。横になると心臓へ血液が溜り、余計にうっ血するそうです。

治療法について

詳しくは主治医へご相談してください。また、治療方針へ不安があれば自己判断せずセカンド・オピニオンの活用もご検討ください。

 

 

重症心不全の治療(日本循環器学会HPより)

・重症心不全の治療は、軽症の方と同様に薬物治療を行い、さらに積極的に非薬物療法を行います。

 

・薬物療法として、心筋を保護するβ遮断薬、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系阻害薬に加え、症状に応じて利尿薬、強心薬の投与が行われます。また、心房細動などの不整脈を抑える薬、貧血を改善する薬など、心不全を悪化させる病態に対しても積極的に投薬を行います。また、一部の病気にはステロイドなど免疫抑制剤を用いる場合もあります。

 

・非薬物療法として、不整脈治療のためのカテーテルアブレーション、ペースメーカー植え込み術、冠動脈治療のためのカテーテルインターベンション、バイパス術、さらに僧帽弁閉鎖不全に対する手術などを行います。 

 

・心臓移植の適応となった方でも、補助人工心臓による心臓負荷軽減、薬物療法強化により心機能が改善する方もおられます。

 

・生活習慣を改善することは重症心不全でも非常に重要です。睡眠、食事には十分注意が必要です。また、重症心不全であっても運動を続けることにより、症状を改善する場合があります。医師の指示に従って正しく行ってください。