運転免許証更新から一年後、どうなった?

 植込み型補助人工心臓を装着されている方もしくは装着を検討されている方で、運転免許証の更新に頭を抱える人も少なくないと思います。改めてその話題へ触れてみたいと思います。

免許証更新は可能なのか?

 「ケースバイケースです」という結論をお伝えしたいですが、それを言ってしまっては身も蓋もありません。私自身が運転免許証更新前に調べ上げたこと、実際に経験したこと、更新後に知りえたことを踏まえて書いてみたいと思います。

ケースバイケースの中身

色々な要因が考えられますが、まずは当人側の要因であろう内容を書き出してみます。

・病歴、身体状況

・補助人工心臓以外のデバイス装着(ICD等)

 

 

担当医も関係してきます。

・診断書の内容

 

そして、道路交通法というものがあります。

道交法の概要について昨年のブログ記事「運転免許証は更新できる?」をご参照ください。

見えない落とし穴「留意事項」

見えていたらただの穴ですが、我々には見えない穴もあります。それが「留意事項」というものです。

下記は、平成26年4月に本庁から各都道府県へ通達された文書の引用です。

 

一定の病気等に係る運転免許関係事務に関する運用上の留意事項について

道路交通法の一部を改正する法律(平成25年法律第43号)により、運転免許(以下「免許」という。)の拒否又は取消し事由等となる自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのある病気(法第90条第1項第1号から第2号まで又は第103条第1項第1号、第1号の2若しくは第3号に規定する病気等をいう。以下「一定の病気等」という。)に係る運転者対策の推進を図るため、免許を受けようとする者等に対する質問等に関する規定、一定の病気等に該当する者を診察した医師による診察結果の届出に関する規定、一定の病気等に該当する疑いがある者に対する免許の効力の停止に関する規定及び一定の病気に該当すること等を理由として免許を取り消された場合における再取得に係る試験の一部免除に関する規定が整備された。

これらの規定等の適切な運用を図るため、別紙のとおり、一定の病気等に係る運転免許関係事務の留意事項を定め、平成26年6月1日から実施することとしたので、事務処理上遺漏のないようにされたい。

 

そして下記は今年7月に留意事項の変更が通達された文書の引用です。

一定の病気等に係る運転免許関係事務に関する運用上の留意事項について

運転免許の拒否等又は取消し事由等となる自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのある病気(法第90条第1項第1号から第2号まで又は第103条第1項第1号、第1号の2若しくは第3号に規定する病気等をいう。以下「一定の病気等」という。)に係

る運転免許関係事務については、「一定の病気等に係る運転免許関係事務に関する運用上の留意事項について」(平成28年9月30日付け警察庁丁運発第146号)により、留意事項を定め、運用しているところ、この度、てんかん及び再発性の失神のうち不

整脈を原因とするものに係る免許の可否等の運用基準について、所要の改正を行い、別紙のとおり定め、平成29年9月1日から実施することとしたので、事務処理上遺漏のないようにされたい。

なお、前記通達は、平成29年9月1日をもって廃止する。

 

 

留意事項が随時更新されているのですが、それが全てでもないのです。道交法に詳しい方であればご存知かもしれませんが、道路交通法を受けて各都道府県がそれらを実現するために細則というものを作ります。この細則およびその中の留意事項によっても植込みVAD装着者が免許更新をできるか否かの判断が異なっているのではと感じています。

ちなみに病気を理由として免許取り消し、更新を判断するのは各都道府県公安委員会です。

(全く同じ条件の人が東京都で更新出来たからと言っても、その他地域で更新出来るとも限らないということです)

取り消し処分は受けていません

 昨年のブログ記事に頂戴したコメントへ返信する形で書き込みましたので、現在の運転免許証保有状況について書きます。私は今も運転免許証を保有しております。更新後は東京都公安員会からの呼び出しもありません。
もちろん運転はしておりません。

明確な指針を出して欲しい

ICD/CRT-D植込み患者の運転可否に関する基準は、日本不整脈心電学会・日本循環器学会・日本胸部外科学会の3学会合同検討委員会により運用指針が定められています。しかし、補助人工心臓を装着されたケースについては明確な指針が出ていません。
「運転は控える(禁止)」というのはどこが出している指針か分かりますか?そして、それは免許証保持について書いているものですか?

 

3学会には補助人工心臓という医療デバイスを装着されている方に対して何らかのアクションを起こして欲しいと思います。各学会内では問題提起がされていると思いますが…(と、信じています)

心臓移植後、社会復帰への足かせとなる

 現在、保険認可されている植込み型補助人工心臓の利用は「一時的(心臓移植までのブリッジ」であり、心臓移植を受ければ植込み型補助人工心臓は外れます。社会生活へ復帰すること自体大変なことことかもしれませんが、復帰は見込めます。社会生活において車の運転が不可欠なことも多いでしょう。しかし、そのような状況があるにも関わらず取り消し処分とするのはわざわざ新たに試練を与えているようなものだと感じてしまいます。

 

 少なくとも日本では平均1000日ほどの待機が必要と言われていますが、実際にはそれ以上に長くなってきてることを踏まえて真剣に検討いただきたところです。更新できないという結論になろうとも、保留期間を3年から5年へ延長する等の配慮措置があってほしいです。

運転免許証更新についての問い合わせ

 度々お問い合わせをいただきますが、私はお話を聞くことと、自身の経験した範囲の内容をお伝えすることしかできません。全てとは言いませんが、それらの多くは本ブログで記してあります。また、本件に関しては私の個人情報を含むことが多いため、匿名での問い合せについては原則応じることはできません。予めご了承ください。
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