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2019年国内臓器移植件数を心臓移植待機者が読み解いてみた

グラフのイメージ

拡張型心筋症により日本臓器移植ネットワークへ移植希望登録を行ったのが2015年、それから現在に至るまで補助人工心臓を装着して心臓移植の機会を待っている状況だ。昨年の国内臓器移植に関する数字が公開されはじめたので私なりに読み解いてみた。

臓器移植件数は増えたが課題も残る

臓器提供件数全体が増加傾向であり2019年4月期には過去最大の提供件数を記録した、これらは今までの地道な活動があってこその数字であろう。しかし、臓器提供件数(人口比)の増加はとても緩やかであり臓器移植先進国の欧米諸国には遠く及ばないのが現状だ、とても楽観視できる状況ではないと思われる。
リンク:臓器提供件数と移植件数の推移


伸びた心臓移植件数の裏で増えた心臓移植待機者

2019年度の心臓移植件数は84件であり前年55件より29件増という結果であった、これにより新たな道へ進まれた家族の数も増えたであろう。それでは心臓移植件数が増えたことで心臓移植待機者も減ったのだろうか?

2019年度の心臓移植待機者は793人であり前年736人より57人増という結果であった、これはどのようなことを意味するのだろうか。私なりの目線で考察してみた。

VADにより長期生存が可能になりつつある

VAD(補助人工心臓)などの医療機器、医療技術の向上により従来より心臓移植を長く待てる状況になったとも読み取れる。例えばVADのラインナップが増えたことにより患者に適した機器を選択することで長期生存が可能になったのかもしれない、これは当事者にとって良い事だと思う。なお、私がVADを植え込んだ2015年では以下の機種が保険認可されていたと記憶している。

  • DuraHeart
  • HeartMate2
  • Jarvik2000
  • EVAHEART
  • EXCOR(小児用体外式補助人工心臓)

2016年には「移植を前提としない植込み型補助人工心臓の使用(DT: DestinationTherapy)」の治験も開始されている、これは植込み型補助人工心臓の成績の良さがあってのことだとも想像される。近年では以下のVADが日本でも認可されている。

  • HVAD
  • HeartMate3

心臓移植待機環境の悪化

改正臓器移植法施行後の心臓移植レシピエント平均待機期間のグラフが示すように心臓移植を望む方の待機人数は年々増加傾向であり、私自身も丸5

年を迎える直前である。これは日本の心臓移植待機者にとって新たな課題を生み出している状況であると感じている
リンク:レシピエント待機期間

  • 心臓移植待機生活における収入確保
    VADは従来の治療法と比べ優秀であるが自宅で生活する場合は介助者(主に家族)と原則24時間一緒に過ごす必要がある。それは当事者やその家族が労働により収入を得にくいという状況を長期に渡って生み出していると思われる。補助人工心臓を装着するのは心臓移植を受けることが前提となるが、その心臓移植にも臓器運搬費などの大きな支出が待っている。障害年金や自治体の助成制度などの受給状況にもよるだろうが、よほど貯えがなければ移植待機中であっても収入を得なければならないのが現状であろう。

    私の場合は勤めていた会社(在宅制度あり)への復職であったため恵まれた環境だったと言える。しかし、復職ではなく就職であったとしたら話は違ったであろう。受け入れる企業側に体力がなければVAD装着者(傷病者)を積極的に採用することは難しいだろう。この問題はすぐに解決できることではないが、広く積極的に論ずる問題の一つであると感じる。
  • 子の進学や介助者の高齢化による疲弊
    心臓移植の平均待期期間が延びる中で当事者家族の変化も見過ごせないものとなってくる。その一つに介助者の高齢化があり、私もその一人である。ある日、両親と買い物へ行ったときに感じた事です。前を歩く母のうしろ姿がとても小さく見え、何とも言えない寂しさと申し訳なさを感じた。

    今後、更なる移植待期期間の長期化により当事者生活の疲弊が色濃くなることは想像に難くないだろう。直近の心臓移植希望登録者の年代別内訳では長期化に伴う分布の変化も感じる。
    リンク:心臓移植希望登録者の内訳

これら国内心臓移植待を取り巻く問題を解決するにはJOT(日本臓器移植ネットワーク)や当事者からの発信も必要だろうが、国による抜本的な改革を行わない限り加速度的な改善することは難しい状況なのかもしれない。

皆様はどう思われるでしょうか。

私は何が何でも心臓移植を受けたい、その結果に何が待ち受けていようとも構わない。それはずっと前から覚悟を決めていたことだから誰に何と言われようと曲げる気はない。

「今」それぞれができることを「今」やろう、少しずつでもいつの日か何かが良くなると思う。


●○臓器提供意思表示カードの記入をお願いします

臓器移植で救われる家族がいます。

 

今日はYES、

明日はNOでもいいんです。

提供する意思は、いつでも何度でも変更できます。

大切なのは「今」の意思を、しっかりと表示することなんです。

 

自身の家族のために、誰かのために意思表示をお願いします。

 

▼ そもそも、臓器提供って何?

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▼ スマホで意思登録

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